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保安現場最前線岡崎支店豊田営業所高圧限流ヒューズの経年劣化による太陽光発電所の発電停止周囲は停電していないことから、他に原因があると考える。コールセンターから、お客さまの太陽光発電所に設置している監視装置から「異常」信号を受信したとの連絡を受けました。お客さまへ連絡し、発電状況を確認後、遠隔操作により発電所の運転を試みましたが運転ができなかったため、現地へ出向しました。発電所に異常がないかを確認したところ、系統側の異常によりパワーコンディショナー(以下PCS)が1台停止していました。系統側の異常でしたが、周囲は停電していないことから、他に原因があると考え、PCSの操作パネルを確認(写真①)したところ、各相の電圧バランスが崩れていることがわかりました。高圧設備に問題があると考え、応援を呼び、復旧対応を行いました。キュービクルの電圧は正常だったため、内部に異常があると判断し、お客さ現場写真12まに停電の了承を得て、発電所を停止し点検を開始しました。LBSと経年劣化したPFの間で接触不良が発生。高圧部の絶縁抵抗測定や変圧器の内部、高圧配線には異常が見られませんでしたが、高圧負荷開閉器(以下LBS)を確認したところ、青相の高圧限流ヒューズ(以下PF)が変色していることに気付きました。手動でLBSを開放すると、PFが溶着していることが判明しました(写真②)。通常、PFに過電流が流れるとヒューズが切れ、LBSのストライカー機構により開放されますが、今回はPFが過熱し溶着したため、正常に解除されず欠相状態となり、変圧器の2次側の電圧バランスが崩れてPCSの運転が停止しました。LBSと経年劣化したPFの間で接触不良が発生したことが原因と考えられます。小さな異常を見逃さないように点検を心がける。LBSの交換が必要となり、お客さまには交換までの間、1台のPCSの運転ができないことを了承していただきました。その際、PFは消耗品なので、10年を目安に交換するようお願いしました。今後も、停電点検ではLBSの機構部の動作確認をしっかり行い、小さな異常を見逃さないように点検を心がけます。併せて経年使用の機器交換についての啓発も確実に実施し、電気を安全に安心して使用していただけるよう努めます。中部電気保安協会岡崎支店豊田営業所保安課チームリーダー杉田達也CheckPointチェックポイント電圧のバランスが崩れているため、高圧機器内部で欠相を疑いながら点検した。機器の外観に小さな変化が無いか等、違和感を見落とさないように気を付けて点検した。高圧機器の異常時は、停電してキュービクル内部から目視による点検を行った。PCS操作パネルで電圧異常確認!溶着した高圧限流ヒューズ(PF)電気事故が発生したらすぐに電話を!!24時間365日対応電気事故・故障のお問い合わせは営業所毎のフリーダイヤルへご連絡ください。※ご連絡の際にはお客さま番号と事業場名称をお伝えください。フリーダイヤル一覧はこちら07電気と保安2025.1・2